外壁塗装を行う際に注意しなければいけないのが塗料です。しかし、一般の人にはよく分かりませんよね。そこで、職歴20年以上この道ひとすじの塗道元が、はじめての方でもわかりやすく、楽しく塗料の説明をいたします♪
1.塗料の種類
外壁塗装の塗料には、大きく分けて2種類の塗料があります。『下塗用塗料』と『仕上げ塗り用塗料』です。
それぞれについて、説明をいたしましょう。
2.下塗り塗料
下塗り用の塗料とは、読んで字のごとく「下塗り」のための塗料です。「3度塗り」という工程の中で1番最初に活用する塗料です。
ところが、一概に「下塗り」と言っても、いろいろな壁材がありますので、それぞれに合わせた「下塗り用塗料」があるのです。そして、その上、痛み具合に合わせても若干、使い分けたりします。
サイディング壁
最近のお家に最も多いサイディング外壁材です。デザイン性に優れたものも多く、塗り替えの際は色分けや透明の保護塗料を使う等、デザイン性を損なわないよう工夫した施工も増えてきています。
下塗り材は、一般的に下塗りにはシーラーを使用しますが痛み具合によってはサイディング用フィーラー(不陸調整塗材)を使用する場合もあります。
モルタル壁
和風のお家に多いモルタル系外壁材です。モルタル系外壁材はひび割れが起きやすい性質があるので通常、ゴム性質のある塗料を使用しますが劣化具合によってはしっかり固めないと剥がれの原因となる場合がありますので注意が必要です。
ALC
ALCは地震に強く遮音性にも優れているため住宅は勿論、倉庫や工場等にも多く使われている外壁材です。
しかし、ALCは繋ぎ目も多く防水性能も著しく低いので、しっかりとシーリングに密着するシーラーや十分な防水機能を果たせる塗料を選ぶ必要があります
木の壁
木部には、純和風なお家には焼き板が使われていることが多い他、ウッドサイディング等があります。
基本的に焼き板等には表面に塗膜を形成する塗料よりも内部から木を守る防腐防虫塗料を使用します。
以前に塗膜形成塗料で塗り替えをされていた場合、防腐防虫塗料を使用することは出来ませんので木部専用の下塗り塗料を使用します。
トタン・ガルバニウムの壁
こちらはトタンの壁です。築50〜60年前後のお家や、最近のお家でも時々見かけますね。
金属の壁と聞くとすぐに思い浮かぶのがトタンではないでしょうか。ただし、トタンは現在では衰退の一途を辿っており、現在は金属壁と言えば、”ガルバニウム鋼板”というものになっております。トタンよりも遥かに耐久性に優れた外壁材もあります。
もちろんトタンも塗装できないというわけではありません。その場合は、錆止め効果のある密着プライマーを使用します。
3.上塗り剤の説明
仕上げ塗料は樹脂によって耐久年数も変わり、さまざまな機能もありますので場所によって必要な機能、必要な樹脂を選ぶことが大切です。
シリコン塗料
いわずと知れた人気塗料がシリコン塗料です。塗装業界でも全体の70%程度はいまだにシリコン塗料が現状であり、塗道元でも、今もシリコン塗料をお選びいただくお客様が多いのが現状です。
特にシリコン塗料の人気は、シリコン系樹脂という安定的な性質の樹脂が特徴であること、適度な耐候性やつや光沢感が高級感があるということ。予算もお手頃であることなどから根強い人気です。
また、最近のデザイン塗装の流れでも、次の塗替えを期待する反面コストを抑える意味でもシリコン系塗料をお選びになるお客様が増えています。
フッソ系塗料
次はフッソ系塗料です。「フッソ系塗料」は、昔のアクリル系塗料の3〜4倍程度の耐候性があり、塗料の中で一番長持ちすると言われていました。
要するには、フッソ系の化学結合(蛍石)のほうがアクリル結合や、シリコン樹脂のシロキサン結合よりも強いため壊れにくい、だから塗膜が長持ちするという方程式になります。
お選びいただくお客様は、市場全体でも10〜15%前後となっております。
また屋根はお家の中で一番傷みやすい箇所なのでフッ素樹脂での塗り替えをおすすめします。
無機ハイブリッド塗料
一番長持ちすると言われている塗料は「無機ハイブリッド塗料」というものです。無機とは石のような無機物を指していますが、ゴムと石を比べたら、石のほうが硬いのはおわかりいただけますよね。そのようなイメージから、現在では「無機ハイブリッド塗料」が一番長持ちすると言われています。各塗料メーカー耐候性として20年前後を提示しており、施工店の保証制度でも15年前後が提示されています。
ただし、この無機ハイブリッド塗料で施工する方々は、現時点では全体の10%前後。費用面がお高いこと等が挙げられますし、たとえ20年間長持ちしても、デザインは変えたくなるからだと思います。
断熱塗料
「断熱塗料」で有名なのは、断熱塗料の草分け的な存在だった『ガイナ(GAINA)』ですが、発売されてから15年以上経過した今は、ガイナを超える塗料も次々に出てくるようになりました。
そして、一昔前までは怪しい眉唾塗料だった「断熱塗料」が、今は一般塗料の仲間入りを果たしています。
効果としては、屋根・壁に塗装することで、夏には5-7度前後温度が下がり、冬も魔法瓶のような効果でお家の中が暖まると言われていますが、まさにその通りになります。
費用面はフッソ系塗料クラス以上になるため、高級塗料クラスに属しますが、体感できる塗料ですので良い塗料で施工してもらった感は満載です。
また、断熱塗料の効果は色彩でも変わります。つまり、淡い色合いのほうが太陽の日差しを反射する断熱効果が発揮されますので、断熱塗料用のデザイン塗装も重要な点になりますね。
以上が、外壁塗装の塗料の説明となります。ただし、塗道元では、お客様は塗料については細かな点までご理解くださらなくて良いかと思っています。(時代によっても変わりますし、メーカーごとにそれぞれ訴求していることが違いますし、また施工店ごとに自分たちの主張が違いますので。。。)
ですから、塗料については大枠をご理解していただくことができたら、あとは私たち塗道元に安心してお任せくださいね。